きものどころ あくあ屋

八重山の上布2012-07-12

苧麻
先日、石垣島で、上布の作家さんにお話しをお伺いする機会がありました。

八重山上布は糸作りからとても大変な工程です。苧麻(ちょま)を乾燥させ、細かく裂き(緑のザル)、その一本一本を撚り合わせます(黄色のざる)。一反分の緯(よこ)糸を一人で手紡みするのに、なんと、2~3か月もかかるそうです。経(たて)糸をラミーにしても、染織(草木染)し、織り上げるには約4か月、年に3反程度だそうです。

1年後の来夏、石垣の海で、「海さらし」を一緒にする約束をしてきました。染めた色が一番きれいに見える瞬間だそうで、作家さんにとっても、一番うれしいひとときでもあるそうです。

八重山上布と呼ぶには、伝統柄の有無など、組合が定めた基準をクリアしたものに限られるそうです。ゆえに、この方の作る上布は「八重山上布」とは呼ばれず、石垣島の上布なのだそうです。

「でもね、作りたいものを楽しく作りたいの」とチャーミングに笑っておられました。